シロとクロとその間の世界

雑記BLOG/趣味のない転勤族妻が生活に楽しみを見出すために書く/健康になりたい/ドラマ好き/英語勉強中

愛すべき地味で暗い日常生活は意外な結末へ

「The Accidental Tourist」(ANNE TYLER、Retold by Jennifer Bassett、OXFORD UNIVERSITY PRESS) 読了した。

 

英語の勉強に編集されたものを購入したもので、もちろん作者の原文ママ読んだのではない(読めない)。なので、言葉や表現のニュアンスまで捉え、そこから物語を感じるにまでは至っていないと思う。それでも分からない単語は辞書で調べつつ読んだので、大意は掴むことができたのではないかと思う。

この物語に漂うのは暗~い、地味~な雰囲気なのだが、不思議と惹かれるものがあった。この話にはカッコイイ人も、華々しい人生を送っているようなエリートやセレブも出て来ない。むしろみんな何かしら過去に失った、なんというかぱっとしない人々だ。主人公は旅行本を書くことを生業とした中年の男性、Macon息子と死別し、と暮らしていたが、妻から離婚したいと告げられ別居することになる。他にも若いシンママのドッグトレーナーとか、離婚した兄弟2人シングルの妹自分より年下のシングルの変わり者の上司、あと躾の悪い飼い犬と、一癖ある感じの人々しか登場しない。Maconは日常のルーティンを愛し、規則正しい生活を好む。イレギュラー、変化は求めず、日常を自分の想定内の中で穏やかに送っていきたいと思っている。そんな人が厄介な人々に囲まれ悪戦苦闘する日常が描かれている。

そして、このMaconが妻と、妻と別居後に出会ったドックトレーナーとの間を行ったり来たり?するのだが・・・。う~ん、女性である自分からすれば、いい年してMaconは自分の意思なさ過ぎ、長いものに巻かれすぎじゃ?、って感じだった。でもどんなに厄介な相手でも、人を傷つけることはしない無口な彼のような男性は、ある種の女性にとって、魅力的に見えるのかも知れない。

そんな優柔不断で優しい主人公が最後に下す決断に、私はえっ!?・・・となってしまった。それまで物語に纏われていたじめっとした空気が、一気に真夏の空の下みたいな明るい場所へ持っていかれたような感じ。人生は何歳になってもやり直せるし、違うものにすることができる。それもお金とか、仕事じゃなくて、人との出会いによって、というメッセージを感じた。そして、そんなことが成立してしまう人生の面白さを感じた。