ドラマちっくな人生

まあまあドラマ好き。

【恋はつづくよどこまでも】ドラマにおけるリアリティとは何だろう?

面白いドラマには、何らかのリアリティが必要だと思っていた。

 

リアリティがあってこそ、現実の世界で生きる視聴者は、共感できるのだと。

 

ドラマ自体が作り物だから、すべてにリアリティを持たせるのは不可能だ。いやむしろ、作り物であるからこそ、どこかにリアリティを持たせないと共感を得られないし、面白くならないのではないかと思っていた。

 

例えば「相棒」(テレ朝)。こんな職権乱用する警察官がいたら、間違いなく即クビになるであろう。でも、警察や政界の内部事情に精通した不祥事や事件を描き、それがドラマにリアリティを与えている。

 

例えば「ロングバケーション」(フジテレビ)。カップルの設定としてはかっこよすぎるけど、登場人物のセリフや行動、心の揺れ動きがリアルに感じられ、人々の共感を呼んだ。

 

面白いドラマには何かしら、リアリティがある。

 

ところが「恋はつづくよどこまでも」(TBS)は、そういった意味でのリアリティがない。

 

非現実的な要素に満ちている。

 

こんな病院はすぐにつぶれてしまうだろうし、恋愛中心の主人公は現実の病院ではすぐにクビになってしまうだろう。そして、高校生の時に助けてくれたお医者さんに、ナースとしてそのお医者さんの勤める病院に就職し、しかも同じ循環器外科に配属され、さらには彼女になり婚約に至るなどということは、現実ではほぼあり得ないだろう。

 

このドラマを観ていて、職場恋愛に右往左往する登場人物たちに対して常に思っていたのは、「まず仕事しろ!!」ということ。そして、恋愛中心で皆が動くこの病院は大丈夫なのだろうか!?、さらに、こんな病院ありえない!!、ということだ。

 

でも「こんなのあり得ない!」という気持ちが、笑いに変わっていたのも事実だ。

  

少し前に、今をときめく橋本環奈さんが、「しゃべくり007」(日テレ)において恋愛映画の楽しみ方を出演者のおじさんたちにレクチャーする回があった。恋愛映画のあり得ないぐらいロマンティックな場面に、現実的なツッコミをするおじさんたちに対して、橋本環奈さんは、現実的になったら楽しめない、感情移入をすることが楽しむ秘訣である、という趣旨の発言をされていた。

 

この橋本環奈さんの発言が、大きなヒントになっていると思う。

 

ドラマは感情移入することができれば、楽しめるものになる。非現実的なことだとは頭のどこかでわかっていても、感情移入の強さがそれを上回れば、楽しむことができる。

 

視聴者はきっと一生懸命で健気で優しくて、でもおっとりとしてあり得ないぐらいドジな主人公に、感情移入せずにはいられなかっただろう。

 

さらにいい出来事・悪い出来事が交互に起きる、このドラマのジェットコースター的な展開も非現実的と分かっていながらも、引き付けられた。

 

このドラマにおけるリアリティとは、恋愛しているときの人々の心の動きを、視聴者に体感させたことだ。

 

あるいは、視聴者(特に女性)が心に持っている、こんなことがあったら・・・という願望に見事に寄り添っていたということ。

 

ドラマの設定(学生のときに出会い好きになったお医者さんと婚約)やあり得ない頻度で巻き起こる、仕事上やプライベート上のさまざまな出来事は、かなり非現実的。

 

でも恋愛をしているとき、特に恋愛の初期や、若い頃の恋愛などは、ささいなことに一喜一憂し、感情が乱高下するものではないだろうか。

 

そういった恋愛しているときの心の動きを、見事に視聴者に体感させていた。

 

その意味では、すごくリアリティにあるドラマだった。